中学受験の明日のために その5 過去問は6年生の夏から

 過去問は6年生の夏からやっていけば良いでしょう。問題自体を解くのは秋からで構いません。それまでは、基本問題や標準問題をしっかり解き切る力を身につけることに重点をおいて下さい。基礎が固まっていない間に過去問を解いても得られるものが少ないからです。

問題を解くのは秋からで構いませんが、志望校の赤本に掲載されている傾向と対策は夏から読んでおく事をお勧めします。志望校の問題構成や試験時間、どの分野が出題されやすく、どの分野が出題されにくいかを把握しておきましょう。それを把握する事によって、今後の勉強計画が大きく変わってくるからです。把握する事無しに漫然と勉強すると、効率の悪い勉強になる可能性があります。頻出分野に多くの時間を充て、あまり出題されない分野には少ない時間を充てるという計画が効率的ですが、6年生の早い段階でそれをやるのは考えものです。志望校が変わる可能性がありますし、併願で受ける学校があるからです。やはり6年生の夏までは、全分野の基本問題と標準問題は抑えておきましょう。その頃から選別するのは選択肢を狭めてしまいます。取捨選択して勉強するのは不安になるかもしれませんが、塾では全分野満遍なく演習するでしょうから、そこで真面目に取り組んでいれば自主学習で取捨選択しても問題ありません。

また、過去問を解く際は必ず時間を計って解いて下さい。始めのうちはなかなか点数が取れない事が多いかもしれませんが気にしないで大丈夫です。それより、間違い直しをした後にどの大問にどれくらいの時間をかければ最も良い点数が取れたのかを分析して下さい。

例えば、大問が5題で50分のテストがあったとします。大問1の小問が5題あり、大問5の小問が2題あったとします。大問1題につき10分かけた結果、大問1は5問中3題、大問5は2問中1題正解しました。間違い直しをしたら大問1は間違えた2問とも正解できましたが、大問5は正解できませんでした。この場合、大問1題につき10分かけるという時間配分は間違っていたことになります。大問1に15分、大問5に5分かけた方が点数は高かった可能性が高いです。結果論なので何とでも言えますが、このような分析をして、次回の過去問を解く際に生かしてみましょう。これを繰り返す事で、段々と最も高い点数を取るにはどうすればいいかがわかってきます。

もう一つの視点は、得意分野と不得意分野の分析です。例えば、平面図形は得意で場合の数が苦手という場合、平面図形を始めに解いて15分かける、場合の数はあと回しにして5分かけて(1)だけ正解させる、などの戦略で解いた方が点数を高くする可能性が高くなります。

このように結果を分析して、どうすれば自分の力を最大限発揮できるかを考える事が過去問演習でやってほしいことです。

 今日はここまで。読者に幸運が訪れますように。

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