中学受験の明日のために その10 暗記と理解と考えることのバランスが大事

 

 はじめから解答を見てやり方を覚えるという方法を勧める人がいます。このやり方を否定するつもりはありません。ただ中学受験生はほとんど学習塾に通っており、学習塾でやり方をはじめに習っています。ですので家庭学習をする際、学習塾で習ったことを思い出しながら、まず5分は自分の頭で考えることをお勧めします。

算数を例にとると、場合の数の問題でやり方を思い出せない時、書き出すというのは非効率的かもしれませんが自分の頭で考えています。図形問題で解法が思いつかない時、補助線などを引いて試行錯誤するというのは自分の頭で考えています。こういった遠回りの蓄積が後に役に立ってきます。

6年生になると、家庭学習の量が増える塾が大半なので、1問にあまりに多くの時間を取りすぎると、他の家庭学習が回らなくなってしまう可能性があります。ですので5分考えてわからなければ答えを見る、というやり方が有効です。4、5年生の間は家庭学習の量が少なく、学習時間を多く取れるように思えますが、習い事や友人と遊ぶ時間など勉強以外にやることのある人が多いので、やはり5分考えてわからなければ答えを見るというやり方で大丈夫です。

暗記に走ると考える力が養われないので将来伸び悩むという意見があります。実際に算数などの教科で5年生から伸び悩む生徒は多いです。ただしこれは暗記に走ったからというより、理解を伴わずに暗記しているからです。理解の伴わない暗記は忘れやすく、応用問題に対応できないので、暗記した後は理解するというのを念頭に置いて勉強して下さい。暗記と理解と考えることのバランスが重要です。知識なしに考える時間を取っても時間を浪費し、理解の伴わない暗記ばかりしても考える力を養いにくい。物を考えるには知識や技術が必要なのでどうしても暗記しなければいけないことがあります。ですので順番としては、(学習塾で授業を聞いて)やり方を暗記して→内容を理解して→自分の頭で考える、となります。

現代では、ただの物知りは昔ほど価値が無くなってきました。インターネットでほとんど調べる事ができるからです。これからの時代に求められるのは考える力や創造力です。学校側はそれを理解しており、入試問題の中には暗記だけで解けない問題が出されます。しかし、暗記だけで解ける問題はそれ以上に多いです。ですので受験に勝つにはこれらをバランス良く磨いていくことが必要になってきます。

 今日はここまで。読者に幸運が訪れますように。

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