中学受験の明日のために その79 勉強と学習と学問

 勉強・学習・学問の3つの言葉を聞いた事があると思います。同じような内容なのに3つの言葉があるということは、その意味が微妙に異なるということです。漢字の成り立ちから意味を考えていきましょう。

まず勉強から。これは強いて勉めさせると書きます。つまり、勉強というのは強制的にやらされるわけです。大抵の子供は自ら学ぼうとしないので、強制的にやらされます。これが義務教育ですね。本来義務教育というのは、親が子供に教育を受けさせる義務があるという意味ですが、学校で勉強せずに遊んでばかりいると親や先生に叱られるところから考えると、正しいかどうかは別として、子供は勉強する義務があるというニュアンスも含まれているでしょう。だから嫌いになるのは当然です。その状況を抜け出す方法は2つです。1つ目は高校生になるまでじっと耐え続ける、2つ目は途中から自ら勉強する学習に切り替える、です。

では学習とはどういう意味なのでしょうか。これは習って学ぶと書きます。学ぶというは、本来真似ぶからきた言葉です。つまり、詳しい人から習って、それを真似するということです。強制の要素はありませんので、能動的な行為になります。子供の中にも、学ぶのが楽しいと言っている人がいますが、これは勉強を卒業して学習の段階に入っているからです。能動的にすると何でも楽しみを見出せます。

義務教育の段階で学習に切り替えた人は、高校生や大学生や社会人になっても学び続ける事が出来ます。もちろん高校生以上になってから、強制されない環境に身を置く事で学習に目覚める人もいます。ただ切り替えるのが早いに越したことはありません。

そして最後は学問。これは、学んで問うと書きます。今まで学んだ事に疑問を持ち、追求したりする事ですね。研究者などが当てはまります。この段階に行くと、誰から言われなくても、周りから止められてもやり続けます。自分の研究しているテーマが面白くてやめられないのです。この人達のほとんどは、始めから学問の段階だったわけではないです。勉強→学習→学問の段階を経ているのです。

特に思春期の若者は、何かのキッカケで大きく成長する事がよくあります。出来るだけ強制せずに、学習段階に入るように応援していきたいですね。

今日はここまで。読者に幸運が訪れますように。

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